[ア行]

 環境用語  内  容
 ISO スイスに本部を置く International Organization for Standardization:国際標準化機構という民間の組織。製品やサービスの世界的な標準化及びこれに関する活動の発展を図ることを目的とする。ISO9000sは品質、ISO14001は環境に関するマネジメントシステムの国際規格。共にプロセスに関する規格であり、企業等が一定のマネジメント能力を有していることを証明するものとなる。
アオコ 富栄養化が進んだ湖沼などで、植物プランクトンの異常繁殖により水面が緑色あるいは青色に変色する現象を言う。春から夏にかけて発生することが多く、大量に発生すると腐敗して悪臭を発したり、魚介類のへい死をもたらすことがある。
アジェンダ21 1992年6月の地球サミットで採択された環境保全のための行動計画。21世紀に向けて国際機関、世界各国、事業者及び国民などさまざまな立場の人々がとるべきものとして、40の分野、1000以上の行動計画を納めたもの。
アンブレラ種 個体群維持のために、餌の量など一定の条件が満たされる広い生息地(または面積)が必要な種のこと。地域の生態ピラミッドの最高位に位置する消費者であり、日本ではツキノワグマやヒグマ、オオタカ、イヌワシなどの大型の肉食哺乳類や猛禽類がアンブレラ種となることが多い。
屋上緑化 建築物等によって自然の地盤から切り離された構造物の表層に人工に地盤をつくり、そこに植物で緑化すること。建築物の壁面の緑化も広い意味で「屋上緑化」いう場合もある。緑化によって、ヒートアイランド現象の緩和、冬季の暖房費や夏季の冷房費の削減の効果がある。
温対法 「地球温暖化対策の推進に関する法律」として1998年に制定された。地球温暖化防止への国際的動き「気候変動枠組み条約」をふまえ、これを推進するための国内法。2005年改正では、企業の温室効果ガス排出量の公表が規定された。
営巣環境 動物が繁殖期間(巣を作ったり、子育てする期間)に利用する環境。営巣場所の基質(営巣する樹木や露岩など)、ねぐらなどの隠れ場所、餌資源などにより構成されている。動物の保護管理では、繁殖期の行動圏を考慮して営巣地を中心とする広い範囲を保全することが重要である。
エコアクション21 環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス評価及び環境報告をひとつに統合した制度である。エコアクション21に取り組むことにより、中小事業者でも自主的・積極的な環境配慮に対する取り組みが展開でき、且つその取り組み結果を「環境活動レポート」として公表することができる。
エコシティ 環境共生都市。 地球温暖化をはじめ、深刻化する様々な地球環境問題,良好な自然環境や居住環境への意識の高まりを背景として、環境負荷の軽減・人と自然との共生・アメニティ (快適さ) の創出により、質の高い環境を創造する都市のこと。
エコタウン ゼロエミッション構想を、地域の環境調和型経済社会形成のための基本構想として位置付け、地域振興の機軸として推進することで、先進的な環境調和型まちづくりを支援する事業。平成9 (1997) 年度に通商産業省 (当時) により創設された。
エコハウス 地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーを最大限に活かした住宅のこと。さらに、身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てられることが基本となる。
エコファンド 環境への配慮が高く、且つ株価のパフォーマンスも高いと判断される企業の株式に重点的に投資する投資信託をいう。
ESCO事業 工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なわずに省エネルギーを実現することができる、省エネルギー効果を保証する事業のこと。ESCOの経費は顧客の省エネルギーメリットの一部から受取ることが特徴である。
オゾン層 大気中のオゾンは、その90%が地上から10〜50km上空の成層圏と呼ばれる領域に集まっており、通常「オゾン層」と呼ばれている。オゾン層は、太陽光線に含まれる紫外線のうち有害な物を吸収している。このオゾン層が破壊されると、地上には降り注ぐ有害な紫外線が増え、皮膚ガンや白内障の増加、農業への影響等が心配される。
オープンスペース 建築物などにより建ぺいされていない一定の広がりのある土地を指す。 公園等の公共空間や、寺社境内や学校運動場,民有地等も含まれる。
温室効果ガス 赤外線を吸収する作用を持つ気体の総称。大気が無いとマイナス18度にもなる地球は、温室効果ガスが大気中に存在することで地表の気温が平均15度程度に保たれている。温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、亜鉛化窒素、フロン等がある。これらの温室効果ガスが増加することにより、地球全体が「まるで温室」のように気温が上昇する現象が地球温暖化である。
[カ行]
環境用語 内  容
かおり風景 環境省は、都市・生活型公害による悪臭問題を解決するため,「身近にあるよいかおりを再発見し,かおりに気づくことを通して身の回りにある様々なにおいを意識し,不快なにおいの改善に積極的に取り組む地域の活動」を促進している。2001年10月には、日本各地の自然や生活、文化に根ざした香りのある地域を全国から募集し、「かおり風景100選」として選定を行った。
CASBEE 建築物総合環境性能評価システムのこと。建築物の環境性能で評価し格付けする手法である。省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面及び、室内の快適性や景観への配慮といった環境品質・性能の向上といった側面も含めた、建築物の環境性能を総合的に評価するシステムである。
環境アセスメント制度 開発事業の実施に先立って、事業の環境への影響について調査・予測・評価を行い、結果を好評して地域の住民の意見を聞き、十分な環境保全対策を講じようとする制度。
環境会計 企業等が、持続可能な発展をめざして、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取り組みを効率的かつ効果的に推進していくことを目的とする。事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組み。
環境カウンセラー 市民や事業者などに対して、環境保全活動の推進のために、助言などの支援をする目的で登録された人材を指す。本制度は環境省が創設し、1997年から登録作業が開始されている。
環境基準 人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい環境上の条件に関する基準で、環境基本法に基づいて国が定めることになっている。この基準は、国や地方公共団体が公害対策を進める上での目標となるもので、公害発生に対する直接的な規制基準ではない。
環境共生建造物 住宅の高気密性・高断熱化や冷暖房・給湯・照明機器の改善による効率化及び、太陽光・太陽熱の利用、雨水の再利用、生ゴミの堆肥化、屋上緑化などの取り組みにより,エネルギー消費や二酸化炭素排出量の削減をはじめとした環境保全に総合的に配慮した住宅や建造物。
環境効率性 生産効率に対する環境重視の概念で、より少ない環境負荷で必要な目的物やサービスを生産・消費することを目指す考え方。 資源・エネルギーの利用、製品の生産・消費、不用物の排出という一連の過程を通じた環境負荷の減少を図ることで、環境効率性を高めることとなる。
環境指標 環境の状態を定量的に示す指標のこと。生物においては、生態学的によく研究され、生息できる環境条件が限られていることが判明している生物を指標生物、または環境指標種と呼び、その分布状況等を調査をすることで地域の環境を類推・評価することができる。
環境税 化石燃料の燃焼で生じる二酸化炭素(炭酸ガス)の排出を低減させるために課す税金。石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼した場合、発生する二酸化炭素の量に応じて課税し、環境対策その他の財源にあてようというもの。炭素税とも言う。
環境配慮促進法 事業者が、環境報告書などを通じ、環境情報の開示を進め、その情報が社会の中で積極的に活用されるよう促すことを目的とした法律。正式名称は、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」。
環境パフォーマンス 企業などが環境に配慮した取り組みを行ったことにより、どれだけ環境負荷を削減したかを示す指標が環境パフォーマンスである。汚染物質の削減や省エネルギー、資源の節約、リサイクルなどの量で示すことができる。
環境(エコ)ビジネス 環境への負荷の低減に資する商品、サービスを提供したり、さまざまな社会経済活動を環境保全型のものに変革させる上で役立つ技術やシステム等を提供するような幅広いビジネスのこと。エコビジネスを@環境負荷を低減させる装置、A環境への付加の少ない製品、B環境保全に資するサービス、C社会基盤の整備等の4分野に分類している。
環境報告書 一般に、企業が自社の1年間の環境活動や発生させた環境付加などについて、そのステークホルダーである投資家、消費者、地域住民などに対して公表する年次報告書。
環境ラベル 消費者に対して、環境負荷の低い消費行動を促すため,その製品が環境に配慮していること等を示すマーク表示のこと。国際規格の他に、企業や地方自治体による環境ラベルなど多数が発行されている。
環境リスク 人為的な活動によって生じた環境の汚染や変化が、人の健康や生態系に好ましくない影響を及ぼすおそれ(可能性)のことをいう。有害な化学物質の他、自然環境の改変、温室効果ガスの排出など環境保全上の支障となるすべての要因が環境リスクの対象となる。
気候変動枠組み条約 リオサミットを受けて、1994年3月に発効した地球温暖化等の気候変動がもたらす様々な悪影響を防止するため、国際的な取り組みの原則や措置を定めた条約。
気候変動に関する政府間パネル 各国の研究者が、政府の資格で参加し、地球温暖化問題について論議を行う公式の場として、国連環境計画(UNEP)及び世界気象機関(WMO)の共催により1988年11月に設置された。温暖化に関する科学的な知見の評価、温暖化の環境的・社会経済的影響の評価、今後のあり方の3つの課題について検討している。
貴重種 一般的には、固有性、希少性、立地依存性、脆弱性や学術上の重要性などから見て貴重と考えられる生物種を示す。日本では、上記の意味として希少種と同義語、または希少種・重要種などを総合的にあらわす語として使用されている。
京都議定書 「気候変動枠組条約」の目的を果たすため、CO3(第3回締約国会議、1997年、京都にて開催)において採択された議定書を言う。その後、アメリカなどが離脱し、ロシアがようやく2004年9月に批准を行い、条件を満たして2005年2月に発効した。
クリーンエネルギー 環境に有害な物質の排出が少ないエネルギー源をいう。自然エネルギーを利用した水力、風力、地熱、波力発電のほか、化石燃料でも有害物質の発生が少ない天然ガスはクリーンエネルギーに含まれる。
グラウンドワーク 地域の環境改善活動であり、イギリスの都市周辺部で1980年代に始められた。地域の住民、企業、行政の協働により、グラウンド(生活の現場)に関するワーク(創造活動)を行うことにより、自然環境や地域社会を整備・改善していく活動である。日本では1995年代に導入され、各地で活動が行われている。
グリーン購入 商品やサービスを購入する際に、価格、機能、品質だけでなく「環境」の視点を重視し、環境への付加が出来るだけ少ないものを選んで優先的に購入していくこと。
グリーン・コンシューマリズム 環境に負荷の少ない製品を積極的に選択したり、消費者としてよりよい環境の保全を政府や企業に対して主張する等、消費者による環境保全に対する様々な取組を指す。
グリーン・ツーリズム 緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動をいう。都市住民の自然・ふるさと志向と、これに対応して地域活性化を進めようとする農山漁村の動きを背景として、主に農林水産省によって進められている。1995年には、グリーンツーリズムをハード、ソフトの両面から促進、支援するための法律(農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律)が制定された。
景観緑三法 景観緑三法とは、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律、都市緑地保全法等の一部を改正する法律をいう。2004年に制定された。
公開空地 建築基準法の総合設計制度(都市計画に定められた制限に対して、建築基準方で特例的に緩和を認める制度)に定められており、開発プロジェクトの対象敷地に設けられた空地のうち、一般に開放され自由に通行または利用できる区域のこと。有効容積に応じて、容積率割増や高さ制限の緩和が受けられる。
交通需要マネジメント ITを活用した道路交通情報システムの整備等により、道路利用者に時間、経路、交通手段の変更を促し、交通混雑の緩和を図る手法をいう。道路整備と平行して導入することで、温暖化対策に効果があると期待されている。
COP10 COP(コップ)とは,締約国会議(Conference of the Parties)の略で、多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されている。近年頻繁に目にするCOP10は第10回生物多様性条約締約国会議を指しており、生物多様性保全に関する国際的な合意形成を主な目的として、2010年10月に名古屋で開催される。
COP15 COP(コップ)とは,締約国会議(Conference of the Parties)の略で、多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されている。通称COP15は第15回気候変動枠組条約締約国会議を指しており、温室効果ガス排出規制に関する国際的な合意形成を主な目的として、2009年12月にコペンハーゲンで開催された。
コンポスト 家庭から排出される生ゴミ及び浄化槽汚泥、家畜の糞尿の有機物を、微生物の働きによって発酵分解させ、堆肥にしたもの。
コジェネレーション 発電と同時に発生した排熱を利用して給湯、暖房などを行うエネルギー供給システム。
コミュニティガーデン 行政が管轄する公園とは異なり、地域住民が主体となって、敷地の選定から造成、維持管理までの過程を自主的な活動によって支えている花壇等の緑の空間や、その活動自体をいう。行政にとっても、コストや人的負担の削減につながるメリットがある。
[サ行]
環境用語 内  容
サーマルリサイクル 熱エネルギーを回収することにより、リサイクル利用を図ること。ゴミ焼却施設から発生する熱を利用した発電などがある。
3R リデュースとはゴミを出さないこと。生産工程で出るゴミを減らしたり、使用済み製品の発生量を減らしたりすること。リユースとは一度不要になったものをそのままの形でもう一度使うこと。リサイクルとはゴミを原料として利用すること。使用済み製品や生産工程から出るゴミを回収し、利用しやすいように処理して、新しい製品の材料もしくは原料として使用する。
酸性雨 一般に水素イオン濃度pH5〜6以下の雨水を言う。石炭や石油の化石燃料の燃焼が原因である。硫酸イオンや硝酸イオンを含んだ酸性の降雨を酸性雨という。湖沼や森林等の生態系に影響を与えるほか、建築物や文化財に被害を与えることで問題になっている。
産業コンプレックス 産業の複合体,複数の企業で連携・協力する形態の総称をいう。先進的な技術や経験を有する企業を中核としたネットワークを形成し、環境関連分野の技術開発及び事業化の推進を図るとこで、環境負荷の少ない循環型社会を構築することが期待されている。
産業廃棄物 事業活動に伴って発生する特定の廃棄物と定義される。多量発生性・有害性の観点から、汚染者負担原則に基づき、排出事業者が処理責任を有するものとして現在20種類の廃棄物が定められている。
CSR(企業の社会的責任) 企業を社会的な存在と位置づけ、自らの利益や経済性を追求するだけではなく、ステークホルダー(利害関係者)の利益を考えて行動する責任があるとする考え方である。環境への配慮や、行動法令の遵守、人権擁護、消費者保護などの分野についても責任を有するとされる。
COD(化学的酸素要求量) 水中の被酸化性物質(有機物)を酸化剤で化学的に酸化したときに消費される酸化剤の量を酸素に換算した数値。COD値が高いと、水中に有機物が多いことを示し、水質汚濁を示す指標となる。
SEGES SEGES(シージェス)とは、財団法人 都市緑化基金が運営する社会・環境貢献緑地評価システムを指す。社会や環境に貢献度の高い優れた緑を評価認定するシステムであり、企業などが積極的に保全・維持・活用に取り組む優良な緑地が、環境を保全し、潤いと安らぎのある美しいまちづくりに貢献するものとして認定される。
自然エネルギー 有限なエネルギーである石油・石炭などの化石燃料や原子力に対して、自然環境の中で繰り返し起こる現象から取り出すことのできるエネルギーの総称。具体的なエネルギー源としては,太陽光,風力,潮力,地熱などが挙げられる。
持続的発展 現代の世代が、将来の世代の利益や要求を満足する能力を損なわない範囲内で環境を利用し、要求を満たしていこうとする発展の考え方。 環境は経済社会の発展の基盤であり、環境を損なうことなく開発することで持続的発展が可能となる。
社会貢献活動 個人や団体が社会の利益に資する行いをすること。特に今日では、企業が社会的責任を果たすため、慈善事業やボランティアへの援助、特定の慈善活動への人材、資機材の提供、寄付、あるいは営利活動を通しての結果的な社会貢献などを行うことが社会貢献活動として普及しつつある。
樹木の大気浄化能力度 樹木がNOxやSOxなどの大気汚染物質を吸収し、大気を浄化する能力の度合いを指す。水分の蒸散の速度と大気汚染物質の吸収速度に相関性があることから、樹木の蒸散速度を測定することにより、浄化能力度を調査する方法がある。
省エネ法 エネルギーの使用の合理化に関する法律。1979年10月に施行された。我が国のエネルギー対策を、産業、民生、運輸の各特性に応じて、強力に推進するための法律。エネルギーの利用の合理化や使用の効率化など総合的な省エネルギーの推進をめざしたもの。
植生 地域における植物の集合体を指していう。現在成立している植生を現存植生といい、長い年月に亘る環境要因の変化との相互作用によって生き残った植物群によって構成されている。
新エネルギー 石油、石炭等の化石燃料や核燃料に代わる環境への負荷の少ない新しい形態のエネルギーを指していう。「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法新エネルギー法)」で定める「新エネルギー等」には、太陽光発電風力発電、、コジェネレーション、燃料電池、メタノール・石炭液化、バイオマス、雪氷冷熱等のエネルギーが含まれる。
森林の多面的機能 森林の有する水源のかん養、土砂災害の防止、自然環境保全、地球の温暖化防止、林産物の供給等の様々な機能をいう。
侵略的外来種(IAS) 外来種の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性の保全を脅かす種を指していう。日本の外来種については、日本生態学会により、特に生態系や人間活動への影響が大きい外来種を「日本の侵略的外来種ワースト100」としてリスト化されている。
水源の森 水源地域の森林は、水資源の貯留、水質の浄化などの水源かん養機能を発揮する。このような水源の森について林野庁では、昔から水を得るために森林を守り、育て、また、水と一体になった森林空間の利用施設を整備するなど、森林所有者と地域住民の努力のもとに維持されてきた森林を選定し「水源の森百選」として公表している。
 水質汚濁防止法 1970年に制定された法律。所管は環境省。
水質汚濁防止を図るため、工場及び事業場からの公共用水域への排出および地下水への浸透を規制する。また、生活排水対策の実施を推進し、国民の健康を保護し、生活環境を保全することを目的としている。
工場及び事業所から排出される汚水及び廃液により人の健康に被害が生じた場合の事業者の損害賠償の責任を定め、被害者の保護を図ることとしている。
生物の多様性 もとは1つの細胞から出発したと言われている生物が進化し、今日では様々な姿、形、生活様式を見せている。このような生物の間に見られる変異性を総合的に示す概念。生態系、種、遺伝子等のレベルでとらえられている。生物の多様性の保全とは、さまざまな生物が相互の環境を保ちながら、本来の生息環境の中で繁殖を続けている状態を保全することを意味する。
ゼロエミッション ある産業で排出される廃棄物を、別の産業の原料として使い、地球全体として廃棄物をゼロにしようとするもの。
[タ行]

環境用語 内  容
 大気汚染防止法  大気汚染防止対策を総合的に推進するために、1968年に制定された。所管は環境省。この法律は、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的として、(1)工場及び事業場における事業活動や建築物の解体に伴う「ばい煙」や「粉じん」の規制、(2)有害大気汚染物質対策の推進、(3)自動車排出ガスに係る許容限度を定めることなどが盛り込まれている。また、無過失であっても健康被害が生じた場合における事業者の損害賠償責任(無過失責任)を定めることにより被害者の保護を図ることも規定している。
その後、数回の改正の後、2004年には揮発性有機化合物VOC)規制が導入された。
代償植生 様々な人為的影響が加えられた後に成立した植生。自然植生の対語として使われている。人為的影響が無くなると徐々にその構成種が変化して自然植生に向けて遷移する。
炭素税 地球温暖化の要因である二酸化炭素の排出削減を目的とし、発生源である石炭、石油、天然ガス等の化石燃料の販売や消費に対して課される環境税である。課税率は炭素含有分等に応じており、徴収された財源は新エネ開発等に活用される。
地球温暖化 地球の気温や海水温が長期的に上昇する現象をいう。地球温暖化が問題とされるのは、この現象が自然由来のものではなく、人間の生産活動による温室効果ガスの濃度が増加が原因と考えられているからである。温暖化は海面上昇や水不足などの問題を引き起こし、人間生存や生態系に大きな影響を与えることが懸念されている。
窒素酸化物(NOx) 窒素酸化物は石油、ガス等の化石燃料の燃焼に伴って発生し、その発生源は、工場、自動車、家庭の厨房施設等多種多様である。燃焼の過程では、一酸化窒素(NO)として排出されるが、これが除々に大気中の酸素と結びついて二酸化窒素(NO2)となる。二酸化窒素は、人の呼吸器に影響を与えるだけでなく、光化学スモッグの原因物質の1つとなっている。
チーム・マイナス6% COP3(第三回気候変動枠組条約締約国会議)で議決された京都議定書において、日本に義務付けられた6%(1990年比)の温室効果ガス削減目標を達成するために進められている活動のこと。環境省により提唱され、チームへの登録、交流、情報提供のためのホームページが開設されている。
長距離越境大気汚染条約 国連欧州経済委員会(UNECE)による、越境大気汚染に関する国際条約である。条約には、酸性雨等の越境大気汚染の防止対策、被害状況や影響の監視・評価、原因物質の排出削減対策、国際協力の実施、モニタリングの実施、情報交換の推進などが規定されている。
手続的手法 意思決定過程において、環境配慮のための判断基準を組み込んでいく機会を設けることで、各主体の環境配慮行動を促進することを意図した環境政策の手法をいう。ISO14001などの環境マネジメントシステムや、環境影響評価、戦略的環境影響評価などが該当する。
デポジット制度 製品価格に一定額のデポジット(預託金)を上乗せして販売し、製品や容器が使用後に返却された際に預託金を返却することにより、製品や容器の回収を促進する制度。使用済み製品や容器の回収率が上がり、リサイクルや適正処理が進む。ゴミの散乱が防げるなどのメリットがある。
DO(溶存酸素) 水中に溶けている酸素のこと。水の浄化作用や水中生物の生存には欠くことの出来ないもので、河川等の水が汚れていると、これらを分解する水中の微生物が溶存酸素を消費し、魚介類に悪影響を及ぼす。さらにこの分解が進行すると、嫌気性の分解も起こり、有害ガス等が発生して水質はさらに悪化する。
特定外来生物 外来生物(移入種)のうち、特に生態系等への被害が認められるものとして外来生物法によって規定された生物。日本にもともとあった生態系、人の生命や健康、農林水産業に被害をおよぼし、又はおよぼすおそれのあるものとして政令により定められている。
都市・生活型公害 都市の生活行動や産業活動が環境に過度の負荷をかけることによって発生する公害のこと。自動車公害や河川の水質汚濁,近隣騒音などが該当し、原因者が被害者にもなりうるという特徴がある。
 土壌汚染対策防止法  2002年5月に制定された法律。所管は環境省。
土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的としている。
背景には、工場跡地の再開発・売却時といった際に実施される土壌調査が急増してきた近年になって、土壌汚染が顕在化してきたことがある。
[ハ行]
環境用語 内  容
排出権取引 温室効果ガスの排出許容枠を売買する仕組み。温室効果ガスの削減目標未達成の国が、達成した国から排出権を買い取る。EUでは、各企業へも排出枠の割り当てがなされ、初期段階での企業間取引が始まっている。
バスロケーションシステム バスの走行位置をバス停等で表示し、バス待ち客の利便を向上するシステムのこと。公共交通の利用促進を図り、渋滞緩和に寄与することが期待される。
ヒ−トアイランド 都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象。その原因は、空調システム、電気機器、燃料機器、自動車などから排出される人工排熱の増加や緑地、水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化などがあげられる。
ビオトープ ドイツ語で「生物」を意味するBioと「場所」を意味するTopeの合成語であり、野生生物の生息可能な自然生態系が機能する空間を意味する。ビオトープを互いに結びつけるなど効果的に配置することで、全体としての生態系の質の向上を図る考え方をビオトープネットワークと呼ぶ。
BOD(生物化学的酸素要求量) 水中の有機物が生物化学的に酸化されるのに必用な酸素量のこと。生物化学的酸化とは、水中の好気性微生物が有機物(栄養源)を水中の酸素を消費してエネルギー化するとき、有機物が生物学的に酸化分解されることをいい、有機物が多いほど消費される酸素量が多くなる。BOD値が高いことは有機物が多いことを意味しており、水質汚濁を示す指標となる。
PDCAサイクル PLAN計画−DO実行−CHECK点検−ACTION行動からなるサイクル。環境管理システムにおいても、このサイクルを繰り返し回すことで継続的な改善が図れる。
富栄養化 湖沼等の植物栄養塩基類の濃度が高まること。都市化や産業の集中により生活排水が流れ込むことによって、窒素やリンが増え、植物プランクトン等が異常繁殖する。また、酸素が不足して魚や貝類が死んだり、悪臭を放ったりすることがある。
復層林施業 人工更新により造成した森林において,樹木を部分的に伐採することにより、樹齢や樹高の違う森林を育てる施業法をさした林業用語。 (広島)
立体的に空間利用するため太陽光線を利用し易く、樹木の成長量の増加が期待できることや、常に樹冠層が形成されているため、雑草の繁茂が少なくなる長所がある。
ブルー・ツーリズム 島や沿海部の漁村に滞在し、海水浴、遊漁、スキューバダイビング等の海洋性レクリェーションや、伝統的な漁村、浜辺のたたずまいや漁業とのふれあいを楽しむ余暇活動のこと。国土交通省、水産庁により「漁村滞在型余暇活動」(ブルー・ツーリズム)として推進されている。
プレリサイクル 使用済みのものでもゴミとして捨てずに、何回も繰り返し使用することで、廃棄物を極力発生させない方法。ゴミの減量化と資源の再利用の推進を図る。
フロン メタンやエタン等の炭化水素に塩素及びフッ素が結合した化合物の総称。オゾン層を破壊する力の強いCFC−11などの5種類を特定フロンという。CFCは科学的に安定しており、大気中に放出されると対流圏では分解されず成層圏に達してオゾン層を破壊する。
廃棄物処理法 廃棄物の処理及び清掃に関する法律。廃棄物の定義や処理責任の所在、処理方法、処理施設、処理業の基準などを定めた法律。
廃棄物 廃棄物処理法の対象となる廃棄物は、「ゴミ、粗大ゴミ、燃え殻、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体、その他の汚物または不要物であって、固形状物、液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く)」と定義されている。一般廃棄物と、産業廃棄物に分けられる。廃棄物処理法上では、気体は廃棄物に含まれない。
[マ行]
環境用語 内  容
ミティゲーション 開発への影響を極力減少させると共に、開発によって損なわれた環境をその場所に復元または創造することによって、環境への影響を出来るだけ緩和しようとする考え。その内容は、回避、低減及び代償がある。
緑の基本計画 都市緑地法(旧都市緑地保全法)に基づき、市町村が策定する「緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画」のこと。1994年の法改正で創設され、2004年の改正では都市公園の整備方針等が追加された。
都市における樹林地、草地、水辺などの緑地の保全と、緑化の推進方策に関する目標や施策について定めるマスタープランであり、緑地の配置方針や緑地保全地区内の緑地の保全に関することなどを定めることとなっている。
モーダルシフト モード(形態、様式)をあるモードから他のモードにシフト(移動、置き換え)すること。貨物輸送の場合においては、より省力的、省エネ、低公害の貨物輸送を実現するため、トラックとの複合一貫輸送を推進することを言う。
猛禽類 タカ目、フクロウ目をはじめとした、肉食で獲物を捕らえるために体を進化させた鳥類の総称。日本にはタカ目29種、フクロウ目11種が生息している。狩りをするために優れた視覚、鋭い爪やくちばし、強くて丈夫な脚などの共通した特徴がある。
[ラ行]
環境用語 内  容
ライフサイクルアセスメント ある製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄まで全ての段階を通して環境影響を定量的、客観的に評価する手法で、LCAと略称される。
これまでは環境負荷が部分的に評価されたため、全体としては環境への負荷が高い製品が生産されてしまう可能性があった。これを改善するため、製品のライフサイクル全体が環境に与える負荷を評価することにより、全体的な環境への負荷を低減できる手法が考えられた。
ラブリバー制度 地域住民や企業、学校等の団体が、河川管理者との協力のもとに行われる河川の清掃活動や草刈り等のボランティア活動を通じて、地域の共有財産である河川への愛着を深めるとともに、良好な水辺空間の形成を目指す制度。
ラムサール条約 「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。国境を越えて移動する水鳥の生息地として重要な湿地を指定し、国際的に保全を進めようとするものであり、湿地を将来にわたって持続的に活用できる賢明な利用法を確立し、適切な湿地の保護・管理施設の実施を目的としている。
リスクコミュニケーション 環境に有害な化学物質などに関する正確な情報を行政、事業者、国民、NGO 等のすべての利害関係者が共有し、相互の信頼性と理解レベルを向上させるために、リスクやその対策等について情報や意見の交換を行うこと。
緑化推進運動 多様な主体により行われる、緑化を推進するための運動をいう。
森林保全、都市環境の改善、地球温暖化防止、生物多様性保全など目的は様々である。運動の主体は国、自治体、市民グループなどであり、近年は企業が社会貢献として緑化活動を行うケースが増えている。
緑化地域制度 都市緑地法(H16年)により定められた制度である。都市計画で定めた、良好な都市環境の形成のために緑化を推進する必要がある区域内において建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定割合以上の緑化を義務付ける緑化率規制である。
緑地環境保全地域 歴史的・文化的、社会的資産と一体となって良好な自然環境を形成している土地及び、植林地、池沼、丘陵、草原等が市街地、集落地等と一体となって良好な自然環境を形成している土地等、県により指定され保全される地域。
緑地協定 都市緑地法に基づき、都市の良好な環境を確保するため、緑地の保全または緑化の推進に関する事項について、土地所有者等の合意により協定を結ぶ制度である。都市計画区域内における相当規模の土地を対象とし、保全または植栽する樹種や場所、有効期間、違反した場合の措置などを定め、市町村長の認可を受けることにより効力が生じる。
緑被率 対象となる地域の面積に対して緑地(被)面積が占める割合。平面的な緑の量を把握するための指標で、都市計画などに用いられる。緑地(被)面積は、樹冠投影面積の総和で表わされる。
レッドデータブック 絶滅のおそれのある野生生物の情報を取りまとめた本で、国際自然保護連盟(IUCN)が、1966年に初めて発効したもの。日本でも1991年に現環境省がレッドデータブックを作成し、2000年からその改訂版が順次発行されている。ほとんどの都道府県においても都道府県版のレッドデータブックが作成されているかあるいは作成準備中である。
ロードキル 動物(昆虫までも含める場合もある)が道路上で車に轢かれる現象。広義には、車に轢かれるだけ出なく、側溝などの道路構造物に落ちた場合や道路照明灯に衝突した場合など、道路に起因する野生動物の死傷をすべて含めて言う場合もある。



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